嘔吐

作家になりたい統合失調症の女が色々考えるブログ

「希望荘」宮部みゆき

宮部みゆきの「希望荘」を読了した。
ネタバレにならないように、感想をしたためておくことにする。

「希望荘」は、四編からなる短編集である。
「聖域」「希望荘」「砂男」「二重身」の四編からなる。
簡単にあらすじを書くと、杉村三郎という名の私立探偵が、様々な事件に関わっていく話である。

この四編の中では、一番最後の「二重身」が一番おもしろかった。
元より、わたしはあまり宮部みゆきという作家を知らなかった。もちろん、名前は知っていたし、宮部みゆきが素晴らしい小説家であることは知っていた。
ただ、わたし自身がミステリー作家になりたいと考えており、ミステリーばかり読んできたので、なかなか読む機会がなかったのである。
そんな中で、父親に「宮部みゆきのこの本、読んでみろ。無駄のない文章っていうのがどんなものなのかよくわかるぞ」と言って貸してもらったのが、この短編集だった。

確かに、無駄のない文章だった。簡潔で、さらりとしていて、しかし重要なところはしっかりと長く書き綴ってある。日本語が上手だなあ。わたしは憧れた。
しかし、好きな文体かと言われるとそうではなかった。わたしは、どうしても綾辻行人貴志祐介のような文体が好きなのだ。
適度な比喩に、馬鹿でも読める読みやすさ。そして大好きなミステリー。
宮部みゆきの文章だったも確かに美しかった。憧れた。しかし、好みではなかった。
しかし、この本を読んだことが、またわたしの作家になりたいという夢の糧になるのだから、読めてよかったと思う。

明日からは、サルトルの「嘔吐」を読もうと思っている。
このブログのタイトルは「嘔吐」だが、これはサルトルの「嘔吐」の真似であり、そして自分の思ったことがなんでも吐ける場所としての意味合いを込めてつけた名前だ。 海外文学には疎く、しかも「嘔吐」はミステリー小説ではないので、楽しんで読めるかどうかは謎だ。
しかし、いろんなジャンルの本も読んでおくべきだ、とわたしは思う。

わたしはまだまだ若い。(といっても、社会人の歳ではあるが)
世の中、遅咲きの作家なんて腐るほどいる。
だから、焦る必要はない。まだまだ時間はある。
しかも休職中なので、今、この時間を読書や習作を書くことに割くしかない。
大丈夫だ。いつか、作家になれると思っている。何年かかっても、わたしは作家になりたいと思っている。
その前に自殺しないかだけが心配だが、これはメンヘラなので仕方ないことである。
できるだけ明るく、夢を追って生きていけるように、読書や習作制作に邁進しよう。
そうすれば、自ずと病状も安定してくるかもしれないと信じながら。

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