嘔吐

作家になりたい統合失調症の女が色々考えるブログ

「十角館の殺人」綾辻行人(n回目)

読み終えた。

この本に出会ったのは大学生のときだった。
ずっと読み返したいと思っていた。
しかし本が祖父母の家にあるため、なかなか本を取りに行くこともできず、急遽駅前の本屋で2冊目を購入した次第である。

普通におもしろい本だった。
しかし、大学生のときほど大きな感銘を受けるわけではなかった。
なにを隠そう、わたしはミステリーの女王アガサクリスティーを読んでしまった人間なのである。
話の全体が「そして誰もいなくなった」を意識していることは明白であり、ネタもそれを倣ったものであることは瞬時に理解できた。
しかしながら、思い入れのある本なので、今回こうして読み返してみて本当によかったと思う。
アガサクリスティーのような、証拠と理論に基づいた物語ではなかったが、楽しく読むことができた。

さて、こうなると「そして誰もいなくなった」を読み返したくもなるものである。
これまでの人生において、あの本ほど感情を揺さぶられた本はないといっても過言ではない。
本物のミステリーがどんなものなのか。
日本のミステリーは海外ミステリーの模倣でしかないというのがわたしの父親の言い分だが、なるほどそうかもしれないと思わされるだけのパワーがあの本にはあった。
お勉強をしよう。
ミステリーというものが、本物のミステリーというものが、どんなものなのかを。

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